2016年 03月 26日
妖しい湖
湖の水が暴れ出したら、ダムの破壊など訳のないことであろう。そんな想像をしたものだから、ダム上の道を急いで走り抜け、路肩の妖しい上り坂を一気に上がり、コバルトブルーの見えない所へとアクセルを吹かした。
湖の色は、生き物を一切寄せ付けない。間違って飲み込まれでもしたら、骨まで溶けてしまいそうである。噴火した火口に溜まった水に似ているから、そんな想像をしたものだ。
帰路、コバルトブルーの湖を見るのが嫌で別な道を選んだものの、道幅は狭く対向車でもあればすれ違いは出来そうもない。山肌を縫って上る急な坂道に、運転手は昔を想い出して張り切ったが、助手席の人は神経を何度もすり減らしたことだろう。
コバルトの ブルー妖しい 人工湖