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白髪の旅ガラス

「考慮に入れる」と「考慮する」は大違い

 ISO14001:2015規格では、環境面の重点管理項目と順守義務を考慮に入れ、リスク及び機会を考慮し、環境目標を確立する要求があります。ここで、「考慮に入れる」と「考慮する」を使い分けていることに注意しなければなりません。

 考慮に入れるは、考える必要があり拒否できない意味ですが、考慮するは、考える必要はあるが拒否しても良い、そんな意味の差があります。これを同じ意味に考えてはいけません。

「君の環境改善提案、後期の環境目標を見直す際に考慮に入れる」
「課長、有難うございます」
 実際、環境目標の施策として環境改善提案が採用されました。

「あなたの環境改善提案、後期の環境目標を見直す際に考慮するよ」
「課長、有難うございます」
 それから一ヶ月後のことでした。
「ところで、何故、私の環境改善提案、採用されなかったのですか」
「一応検討はしてみたが、予算が取れなくてね」

 これほど両者の意味に差があるにも拘わらず、それを無視して使われている場合が多くありますから、注意しなければならないでしょう。


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Commented by at 2017-09-28 06:41 x
一般的に考慮は、相手の意に沿う形をとるという使われ方を
されているように思う。 つまり拒否の意味合いは極めて薄い。
辞書的には、あくまで考え合わせて思い巡らすという意味のみ。
考えたうえで拒否をする、つまり不採用だってありうる。
しかし、考慮に入れるには拒否の意は含まれないんですね。
言い回しが違うだけかと思っていましたが。
Commented by tabigarasu-iso at 2017-09-28 10:32
> 。さん
日本語では、「考慮する」と「考慮に入れる」は良く似ています。英語表記では、「consider」と「take into account」と明らかに異なり、両者の違いが良く分かります。これが小説なら大した違いではありませんが、規格の世界では、違いを違いとして理解する必要があります。草々
by tabigarasu-iso | 2015-08-03 07:20 | ISOマネジメント | Comments(2)