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白髪の旅ガラス

沈黙の海

 鹿児島市の「いおワールドかごしま水族館」には、「沈黙の海」と言う水槽があるらしい。水族館に居る筈の水棲動物が皆無の水槽だけを展示していると言うから、わざわざ見に行く必要はないだろう。

 そんな水槽が注目されるのは、見せるものが居ない水槽を展示すると言う逆転の発想に加え、水槽の前に展示された次の詩に理由があるようだ。

 青い海 なにもいない
 もう耳をふさぎたいほど
 生きものたちの歌が聞こえていた波
 それが いつのまにか なにも聞こえない
 青い海
 人間という生きものが
 自分たちだけのことしか考えない
 そんな毎日が続いているうち
 生きものたちの歌がひとつ消え
 ふたつ消えて
 それがいつのまにか なにも聞こえない
 青い 沈黙の海
 そんな海を子どもたちに残さないために
 私たちは 何をしたらいいのだろうか?
                      初代館長 吉田 啓正 氏

 これからも沢山の水棲動物が生き続けるには、彼等が子孫を残せるようにしなければなりません。それには、山を守ることも必要です。また、大気に放出している温室効果ガスも減らさなければなりません。さらに、河川を汚染する有害な化学物質の放出も止める必要が有ります。何より、魚を捕り過ぎないように。

 沈黙の 海の理由も 考える
沈黙の海_d0052263_1621071.jpg

by tabigarasu-iso | 2015-05-25 10:00 | 随筆 | Comments(0)