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白髪の旅ガラス

奇跡のリンゴ

 深夜のテレビ番組に登場した木村秋則さんは、番組の最後になり司会者の求めに応じて色紙に太いマジックペンで力強く書きました。
【必ず答えあり】

 これは、辛苦を長年に亘り舐め、漸く無農薬でリンゴを栽培することに成功した人の重い一行です。感動の余り、布団に潜り込んでも眠ることは出来ません。飛び起きて、ホテル備え付けの便箋に忘れないよう懸命に書き残しました。

 農家の次男に生まれる。
 農家を嫌い会社に就職したが親に呼ばれて田舎に帰る。
 長男も勤めを辞めて帰省する。
 仕方なく農家に婿養子に入る
 リンゴを栽培したが女房は農薬に被れる。
 そこで減農薬栽培を始める。
 次は無農薬である。
 農薬を使用しないリンゴ畑には害虫が押し寄せる。
 リンゴの出荷ができない農家になる。
 極貧状況が続き首吊り自殺を試みる。
 その縄を見失い探す先に虫の付かないドングリがある。
 そこにリンゴ畑とは異なる土がある。
 自殺を忘れて土壌作りに挑戦する。
 やがて無農薬で小さなリンゴが実る。
 小さなリンゴが毎年大きく実るようになる。
 これは奇跡のリンゴである。

 番組の仕上げに司会者が尋ねました。
「一番の功労者は」
「無農薬でも耐えて実を付けたリンゴでしょ」
 素朴に笑顔で答える木村さんの表情が脳裏を一晩中駆け巡り、そのまま朝を迎えたのです。

 環境を 配慮しない 農業なし
奇跡のリンゴ_d0052263_12134237.jpg

by tabigarasu-iso | 2014-09-19 00:00 | 問題解決 | Comments(0)