人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログトップ

白髪の旅ガラス

ドウダンツツジの咲く頃

 春には珍しい豪雨を一晩中浴びて、庭の片隅に在籍すること二十年も経ちながら、少しも成長しないドウダンツツジが、その体格に似合った愛らしく小さな花を全身に咲かせました。

 派手な桜の花に話題を奪われ、殆ど話題にならないドウダンツツジですが、花びらの美しさは拡散するだけの桜の花びらとは異なり、寺の鐘に似たリンドウの花びらと同じく、その先はまとまって慎ましいものです。

 とは言うものの、ドウダンツツジのドウダンは灯台が訛ったようですから、寺の鐘に似ていると多くの人が思えば、ドウダンツツジではなくカネツツジと呼ばれることになったことでしょう。

 ドウダンツツジとパソコンで入力すれば満天星と変換されますから、小さな花びらを星に例え、樹幹を夜空にも見做したようです。同じ花びらですが、灯台と見做したり、鐘と思い込んだり、満天星のようだと大きな世界を見出したり、ドウダンツツジは桜の花びらより想像力を駆り立てる花ではないでしょうか。

 ドウダンの ツツジ眺める 親父あり
ドウダンツツジの咲く頃_d0052263_1272163.jpg

by tabigarasu-iso | 2014-04-04 00:00 | 随筆 | Comments(0)