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白髪の旅ガラス

小物趣味

 雑誌を見ても、出掛けたついでがあっても、滅多に土産の類は買いません。それでもたまには、旅行好きな家族の趣味に合わせて買い求める土産もありますが、それこそ名物に旨い物はなく、冷蔵庫の隅で忘れられたままです。

 ところが、携帯電話に付ける小物などを雑誌や店先で見掛けると、迷うことなく買い求めてしまう。最近では、一寸にも満たない金の延べ棒、本物であれば小物とは言え数十万円の代物です。

 つい先日も、手作りで将来の価値も見込めそうな一寸余りの金属製の熊を求めました。金の延べ棒の値段は三百円でしたから、その十倍以上の値ながら迷うことはありません。困った趣味ですが、そのルーツは幼い頃にあるようです。

 戦後七年が経ち、右肩上がりの経済で町には物が出回っていたのでしょうが、田舎で暮らす子供には、欲しいものがあっても想像するだけで簡単には手に入らない。着る物は寸法の合わない兄の下がり、新しい下着など正月が来ないと買って貰えません。

 そんな中、町の子供が近くの家へ遊びに来ることがありました。手に持っているのは小さな玩具、小さなアヒルや自動車の類で欲しくて堪らない。少しの間貸して貰っても、すぐに返さなくてはなりません。

 今、その時の願望を実現しているようです。この癖に拍車を掛けるのはキャッシュカードでして、現金の持ち合わせがなくても決済が出来る良い時代になりました。

 良い夫婦 揃い求めた 小物かな
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by tabigarasu-iso | 2013-11-23 00:00 | 随筆 | Comments(0)