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白髪の旅ガラス

約束は守る

 約束の時間を過ぎても連絡がない。遅れて現れてもそれが当たり前のような顔である。食事の間も携帯電話を眺めて落ち着きがない。その挙句に会費も払わず途中で退席する。

 こんな約束を守らない人とは、出来ることなら付き合いたくないものだ。国際的な約束にも同じ事が言える。日本は、京都議定書で1990年に比べ二酸化炭素の排出量を2008~2012年で6%削減することを約束した。

 それも、原子力発電所の稼働を前提にしたもので、2011年3月の大地震による津波で原子力発電所の稼働停止など想定していない削減数値である。それ以降、火力発電所のフル稼働で二酸化炭素の排出量は増え、約束の数量を守るのは困難と思われた。

 事実、1990年比6%削減どころか2008年~2012年は6.3%の増加である。ところが、京都メカニズムを使うと8.2%削減となった。森林が吸収した二酸化炭素量や途上国の削減分を日本の削減分に算入した結果である。

 森林吸収分は、自国の森林育成で大気中の二酸化炭素を木に吸収させた量として妥当だが、途上国の削減分を金で買った後者は、大気中の二酸化炭素を削減した訳ではないから、削減したと言えるか微妙だが、約束を守った点は良い。

 2013年~2020年、日本は2005年比3.8%二酸化炭素削減の自主目標を掲げた。自主目標であるから、守らなくても約束違反にはならないものの、その策は途上国の削減分を買うものである。約束は守れるだろうが、地球温暖化を進める大気中の温室効果ガス削減とは言えない。

 乾き切る 大気に消える 人の息
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by tabigarasu-iso | 2013-11-21 00:00 | 随筆 | Comments(0)