2013年 11月 18日
咳
暫し呼吸を整え、押し寄せる咳の噴火が静まる時を待つ。話を聞く方にしても、話す側の苦しむ姿は見えても何とも言えない。そこに、仕方なしの沈黙が生まれる。
「・・・すいません」
そう、咳を堪えて押し出した言葉に力はない。ペットボトルの茶を含み、気管支の繊毛が騒ぐのを止める。乾いた喉に水分が沁み込み、それに反応して繊毛の痒みは止まった。
「失礼しました」
力強く詫びて、話を先に進める。一呼吸置いたのは、双方に取り骨休めになったようだ。良く見れば、話を聞くのに疲れた相手の顔に笑みが戻る。してみれば、たまには間を取りなさいと咳に教えて貰ったようだ。
枯れススキ 飲んで歌った その昔