2013年 09月 15日
後れ馳せながら
「もしかしたら、あなたの仕業」
「ええ、そうよ」
「少し遅くないか」
「大丈夫よ、挽回するから」
既にヒマワリの花の旬は終り、種を収穫する時期である。それを承知のことだから、播いた種の成長力に余程自信があるのだろう。当てにして待てば花の咲かない時の失望が大きいから、敢えて気にしないようにしていた。
それが昼前に外に出てみれば、後で私を見てと呼んでいるよな気がする。振り返って見ると、清らかな一輪を低い茎の頂に咲かせていた。
『後れ馳せながら、約束は果たした』
そんなヒマワリの自信に満ちた声が聞こえたようである。
後れ馳せ 花を咲かせる 人もあり