2013年 02月 14日
ダニの話
かつて一緒に生活していた愛犬には、散歩から帰ると耳や首の周りに良くダニが付いていたものである。愛犬の血を吸って大きく成長したダニは、何もしなくても床の上に転げ落ちるか、家族が発見して一気にもぎ取ったものだ。
大きく腹を膨らませ、その上で八本の細い脚を動かすダニの様子は未だ記憶に残っている。良く観察するとグロテスクではあるが、人には食い付くことはなかった。その仲間がSFTSなるものを媒介するとしたら、余程注意して取り扱わなければならない。
ダニに愛された我が家の愛犬は、他界して二年余りになる。もしも生きていたなら、彼は何と言うことであろうか。
「そんな心配そうな顔をするなよ。僕だって、好きでダニを付けた訳じゃない。向こうも、生きるのに必死さ」
「すると、悪いのはダニに入り込んだ悪玉ウイルスだな」
「ワン!」
その昔 恙無しや 今はダニ