人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログトップ

白髪の旅ガラス

遅い梅雨入り

 気温30℃を超す真夏日の夜に降り出した雨は、外気の温度を急激に押し下げた。開け放った窓から吹き込む冷たい風、昼間は何処に隠れていたのであろうか。

 布団を掛けて居なければ、身体が冷えて風邪を引く。翌朝早く目が覚め、布団を掛け直した時、雨足は本物になっていた。

 熱いコーヒーを淹れて机に置いたところでラジオに耳を傾ければ、関東地方の梅雨入りを告げる。昨年より遅いと思いながら、過去の随筆を調べて見れば、やはりそうであった。

 梅雨入りの時期が変動するのは、自然のことだから仕方ない。気になるのは、同じ時期に決まって聞こえたカッコウの鳴き声がないことだ。

 それを知らない紫陽花は、昨年より大きく見事なガクを開く。遅い梅雨を一言も責めることもなく、黙って全身に浴びた。

 雨音に 時刻み待つ ヤモリあり
遅い梅雨入り_d0052263_114280.jpg

by tabigarasu-iso | 2012-06-10 10:00 | 随筆 | Comments(0)