2012年 06月 07日
ブルーシート
それを待っては、予定の仕事が間に合いません。駅を出てタクシーを拾い、電車の動く駅まで急いで貰いました。電車とは違い信号待ちが多く、電車なら十分のところが三十分程掛かり、仕事の開始まで残り一時間です。
そこからは電車で三十分余りの仕事先ですから、余裕も三十分ありました。駅に着き上りホームに降りようとした時、線路を挟みホームの端をブルーシートで隠す大勢の駅職員が見えます。
階段を下りる所でしたから、ブルーシートの向こう側も見えました。線路に落ちた何かを拾い、ビニール袋に平然と納めています。ホームの端には、男性の靴とマフラーが置いてありました。
悲惨な状況に唾を飲み込み、漸く乗り込んだ電車は信号が変わるまで車内で待てと言うばかりです。余裕の三十分が徐々に少なくなり、残り十分のところで運転再開になりました。
予定通りに動く電車は、実に快適なものです。ただ、乗り継いで電車を降りてから、駆け足でなければ約束の時間には間に合いません。階段を駆け上がり、歩道を風の如く駆け抜けて、受付に着いたのは約束の五分前。
仕事は、大勢の人前で環境問題を分かり易く話すことです。息が上がり、汗が噴出し、声は嗄れ、まともに始めては旨く行きそうもありません。
そこで、遭遇した人身事故の問題から紐解き、汗を拭き、コップの水で喉を湿らせてから、気候の温暖化が進めば、この水を飲めない人が増えると話題を変えて行きます。
淀みなく一時間の話を終えれば、いつになく沢山の拍手を頂戴しました。それは、ブルーシートの向こう側が原因で遅れそうになりながら、アドリブを交えて一所懸命に話した所為かも知れません。
生ゴミを 出す日教える カラス鳴き