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白髪の旅ガラス

京の満月

 大の文字を山腹に残す上空には、久しく見たことのない満月が現れた。風に吹かれ、雨に打たれて開花を迷う京都の桜には、頼もしい仲間が出現したようである。

 季節の変わり易い春先にしては、見事な満月に遭遇したものだ。その表面で餅つくウサギの姿は、余りにもリアル過ぎて想像の世界とも思えない。

 月の奇麗に見える翌日は、太陽が降り注ぐ日には違いないが、果たして肌寒い今日に比べ明日の天気はどうであろうか。

 南の風に吹かれて暖かい日になるか、北の風に吹かれて肌寒い日になるか、旅人としては気に掛かる。

 何れにしても、太陽光でスポットライトを浴びた満月を眺めている間に、そんな事はどうでも良くなった。

 満月よ 咲かせておくれ 京桜
京の満月_d0052263_034299.jpg

by tabigarasu-iso | 2012-04-07 00:34 | 随筆 | Comments(0)