2012年 02月 24日
審査の心遣い
「失礼ですが、何年生まれですか」
相手は、まさかの質問に驚きの表情を隠せません。
「・・・昭和二十七年です」
相手は、立場上答えない訳には行かない。
「同じ年ですね。後世に迷惑を掛けないようにしましょうね」
「ええ」
今度は素直に頷きました。
確かに、審査を行う側と審査を受ける側とは、立場は対等ですと口では言っても、審査を受ける側の方が気後れしますから、心を開く呼び水を審査側が用意しなくてはなりません。これは、審査サービスの心遣いと言うものですが、大半の審査員が心得ていないノウハウです。
相手の心が開いたところで、審査側は更に相手の話を聞かなければなりません。ここぞとばかり、審査の目的やら自分の言いたいことばかり説明しようとするのは、審査の初心者と言えます。
審査側の狙いなど言わず相手の話を良く聞いて、その中から良い点を探して教えましょう。審査側の心遣いを判って貰ったところで、相手の弱点をずばりと言います。その時、何処に着目したら問題が解決するのか、幾つか選択肢を提案しなくてはなりません。これが、本当の心遣いと言うものです。
審査終え 雪山に問う 出来ぐあい
頭では分かっていても、なかなか実行するのは難しいことですね。