2011年 10月 26日
北風に吹かれて
晩年、殆ど作家活動をされていなかったようで、どうされているのか頭の隅で気にしていましたが、ニュースで訃報を知ることになりました。
北さんのユーモア話は、下品でないところが好ましく、笑い話も直接的でないところに癒しを感じたものです。
一方、小説「楡家の人々」は、遊び心を捨てた私小説であり、長編ながら飽きさせない小説家の本領を見せて貰いました。
また、自身が精神科医でありながら躁うつ病であることを公言し、その時の奇妙な行動をエッセイで発表するユーモア精神には頭が下がったものです。
今頃は、天上で沢山に神様を前にユーモアを披露されていることでしょう。一読者として、そんな北さんの御冥福を心より祈ります。
北風に 杜夫の名前 呼んでみて