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白髪の旅ガラス

涙のラストシーン

 第二次世界大戦時のドイツ・ナチスは、自らの民族の優秀性を掲げ、それを阻害する民族としてユダヤ人を抹殺しようとした。収容所に集められた大勢のユダヤ人は、抵抗する術もなく弾丸や毒ガスで死ぬ。

 同じ党員ながら、シンドラーは収容されたユダヤ人の救出に賄賂を使い、千百名を収容所から救出した。その映画を観ながら、ドイツ軍の降伏で戦争が終わった時、逃亡する前に言ったシンドラー役の科白に泣かされる。

「この車を処分すれば、あと十人の命が救えたのに。胸に付けた党員の金バッチを処分すれば、もう一人の命が救えたのに。それをしなかった」
 何とも出来過ぎた科白だが、それが嫌味にはならず胸を打つから不思議なものだ。

 何回も観ている映画だが、毎回胸を打つ場面が違う。観る側が年輪を重ね、共鳴する点が変わるのは仕方ない。変わらない点は、人が家畜のように扱われる場面に対する我慢ならない憤りと涙のラストシーンである。

救いたい リストに載らぬ 人はなし
涙のラストシーン_d0052263_847411.jpg

by tabigarasu-iso | 2011-08-29 08:47 | 随筆 | Comments(0)