2011年 02月 02日
老犬の動きに無駄はないけれど
若い頃には、自分の意志で遠くまで遊びに出掛け、そのまま家出も珍しいことではなかったから、動く狙いも豊富であったことだろう。
それが老犬になり、狙いは読める範囲に絞り込まれる。それでも、言葉を話せない相手だから、まずは水飲み場に連れて行く。それが嫌なら、義理にも口を開けない。
水が必要でなければ、次は尿か便の出番である。外に連れ出し、膀胱の周辺を軽く押す。緊急であれば直ぐに放尿するが、そうでなければ利き腕で抱き上げ、もう片方の指先で直腸の周辺を揉む。
水や出る物の始末を着けて、更に脚が動くようであれば、腹が空いている。かように、最初から食餌を用意しないのは、喉の乾きと排泄の方が優先するからだ。
全てが満たされたら、後は黙って眠る。それでも、時々脚を動かす。それは、夢の中で野原でも走るか、野ネズミでも追い掛けているからであろう。
介護する 人もやがては 介護され