人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログトップ

白髪の旅ガラス

心の余裕

 住む人が絶えて久しく、手を入れることもなければ、屋根瓦の落下するのは必然のこと。前回訪問の時には、その屋根はビニールシートで覆われていたが、今回訪問では状況が更に悪化し、完全に屋根が抜け落ちてしまった。かように、朽ち行く様をビジネスホテルの窓から見るにつけ、旅ガラスの心は痛む。

 同じ様に、物流の順路が変わり、かつて栄えていた商店街に人の姿もまばらになり、締め切ったシャッターばかりが目に付くのも心が痛む。その裏通りは更に激しく様変わりし、建物が取り壊され平地になるまで見届ければ、寂しささえも現れることをためらう。

 かように、何故に心が痛み寂しさを味わうのであろうか。あって欲しいと望むもの、それが大きく変わり果て、期待外れた時に失望し落胆するが、そればかりでは生きて行けないから、元の心を取り戻す手段かと思ったりする。

 人の別離も寂しきもの。会うは別れの始まりゆえ、いずれ誰でも別離の寂しさを味わう運命にあるが、それを味わうことで次の行動が再開することになるから、寂しさは未来のエネルギー源かも知れない。そう考えれば、寂しさを味わうことに感謝する、心の余裕も生まれよう。

旅先の 雨は心を うつにする
by tabigarasu-iso | 2005-07-14 22:42 | ニュース | Comments(0)