2010年 12月 23日
審査の王道
ISO審査にも同じことが言える。審査の質を求めるなら、受審料金の多寡だけで審査機関を決めてはならない。
現在の審査員の暮らしが成り立つだけでなく、若い審査員も参入できる審査の対価が当然であろう。
受審料金を下げれば、審査員に対する審査対価は益々下がり、それに見合った審査になるのは責められない。
準備、審査当日、審査報告に三日間を掛けても審査対価は一日分だけである。その額は、学生アルバイトの三日分に比べて低いかも知れない。
受審する組織は、自らが提供する製品やサービスに関する価値を市場に認めて貰い存続する。高い質を審査に求めるなら、審査員に適切な対価を認める必要があろう。
審査機関も、自ら乗った切り株を削るようなサービスの安売りはいけない。能力を持った審査員を抱え、顧客を満足させるサービス提供に見合った対価交渉を行う時である。
それでも対価削減交渉する組織には、審査側から断わるのが良かろう。審査は、質の高さを求めなくてはいけない。今こそ審査機関は、権威ある王道を歩む時ではなかろうか。