2010年 05月 25日
僕の背中を叩くのは
後を振り向き、それで注意を促したつもりだが、パソコン画面に夢中の若い男の視界には、前席の僕の顔は入らなかったようだ。ますます振動の回数は増えて、いよいよ仕上げ段階に入ったようである。もう一度、今度はゆっくり後を振り向き再度勧告した。
言葉に出しても良いのだが、静かな車内では新たな騒音になるから、何とか態度で判らせたい。その気持が通じたのか、背中の振動はピタリと止んだ。仕事が済んだか、入力する文字が浮かばなくなったのか判らないが、背中に静寂が戻る。
終点に着き、席を立つ前に若い男の顔を良く見た。こちらの勧告は察知していたようで、振動源のパソコンは膝の上に置いてある。最初から、前の席でパソコンを静かに操作する僕を見習えば良いものを。
【コンサル川柳コーナー】
№10 針は何処 此処にあるよと 胸を指し
№11 横綱に なれば負け越し 引退さ