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白髪の旅ガラス

また君に恋してる

 小さな庭の片隅に、枇杷の木が一本あります。それは、意図的に植えたものではありません。店で買った枇杷を食べ終えた子供が庭に飛ばして遊んでから数年後、知らない間に成長したものです。

 その成長の早いこと、他の植木を差し置いて瞬く間に小さな庭の主になりました。それから毎年実を付けるようになり、店で買う枇杷より小粒ながら甘酸っぱい旬の味を楽しませてくれます。

 ある時、庭の手入れを頼んだ年配の植木屋が言いました。
「他の植木に陽が当たらず、花の咲く時期に飛ぶ花粉も好ましくありません。いつか間引きしましょう」
 その時期は実を楽しんだ後と決まり、枇杷の木は1年の延命です。それを枇杷が聞いたか不明ですが、今年は例年より沢山の実を梢に付けました。

 その頃になると何処からか大きな野鳥が訪れ、小さな実を仲間で喧しく啄ばんで、隣の塀の上に糞を盛んに落とします。それは、未消化の枇杷の実ばかりですから、今年は成熟した枇杷の実を楽しむことは無理かと諦めました。

 やがて野鳥の訪問も絶え、塀の上が鳥の糞で汚されることもなく、何気なく梢を確認したところ、野鳥に間引きして貰った枇杷の実は、いつもより互いの間隔を広く取り、大きく成長したのが判ります。
「また君に恋している・・・みたいだね」

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【コンサル川柳コーナー】

№2 また君に そんな言葉が また流行り

№3 責任の 取れない人は 首相向き

№4 爺より ジイジと呼ばれ 若返り

№5 エコカーで 用も無いに 遠出して

№6 川柳に 笑える訳を 聞かれても

№7 沸きました 言ってくれるは お風呂だけ
by tabigarasu-iso | 2010-05-23 09:51 | 随筆 | Comments(0)