2010年 02月 17日
鉄瓶さん
新しいコンサル現場には必ず立会い、薄くなった頭に手をやるかと思えば、やや緩くなった腹を頻りに撫でて叩いて奇妙な音を立て、緊張した面持ちのメンバーへ手短に要件を告げると、後は全てコンサルに振り表立った口出しは一切しません。
そんな鉄瓶さんの出番は、休憩時に大好きな煙草を吸いながらメンバーの弱点をコンサルに伝え、またコンサルを終えた後の居酒屋での長い反省会でした。背は低く中肉の良くある丸顔ながら、眉毛だけは時代劇の侍に似て勇ましく、その所為で少しの筈の反省会が深夜に及ぶ長いもの。
その気質も現代の侍であったのでしょう。鉄瓶さんの意に反し、裏で怪しい内緒話を得意とする輩には容赦なく、証拠不十分のまま爆発しますから、居合わせたコンサルもフォローしようがありません。赤ら顔が元に戻るまで見守り、コンサルが鉄瓶さんの言いたい点を代弁すれば、漸く刀を鞘に収める方でした。
その後、鉄瓶さんは如何お過ごしですか。酒と煙草の好きな方でしたから、未だ何処かの居酒屋で、煙草を吸いながら気の合う仲間と徳利を転がしていることでしょう。今一度、いとも簡単に湯気を上げる鉄瓶さんと乾杯したいものです。
誰のこと 心当たりは 探らない