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白髪の旅ガラス

 風も吹かない良く晴れた日の夜中に大気が零度近くまで冷え込めば、地表や植物の表面に大気中の水分が氷結して霜になります。これが春先や晩秋の茶葉や野菜に付けば、一晩で低温火傷になりますから、霜の害を避けようとすれば、植物の表面に近い大気に電動プロペラで風を送り、大気を揺らして氷結を避けるしかありません。

 かように、自然の現象を人工的に避けようとすれば、電気エネルギーが必要になります。それが、バイオマス発電、水力発電、太陽光発電、風力発電など再生可能なエネルギー源であれば、自然で自然現象を克服することになりますが、化石燃料を燃やして作る電気では、そうはなりません。

 同じように、ボイラーを焚いて室温を高める温室栽培では、多量の化石燃料を燃やして、季節に左右されない野菜を育てています。旬を避け、市場価値の高い野菜を出荷するには、工場で電気部品や装置を作るのと同じエネルギー投入も仕方のないことでしょう。

 このように、農産物生産で霜を避け、旬を避けようとする限り、自然栽培では必要としていなかったエネルギーが消費されます。付加価値の高い農産物でなければ、収入を上げることができないのが農家の実情ですから、温暖化対策に向けて再生可能なエネルギーへの代替を行政指導で農家に展開することが必要でしょう。


霜と露 温度変われば 入れ替わり
by tabigarasu-iso | 2009-10-05 12:57 | 随筆 | Comments(0)