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ヤタガラスが行く  

2012年 05月 25日
 何故かしら、昨年の一月にまとめた「勝利のヤタガラス」と言う随筆を検索される方が急増した。発表した当時なら兎も角、一年も過ぎた時点であるから、私的には驚くアクアセス件数である。

 そこで、再びヤタガラスの謂れを調べてみれば、大昔、九州を統治する神武天皇が近畿地方まで遠征したが、地元の豪族の反撃に遭い苦戦していたところへ「ヤタガラス」が現れて進む道を教え、難を逃れた神武天皇は大和に都をつくることができたと言う。

 ヤタガラスは、組織を成功に導く象徴である。今が成功の只中にある人なら、誰が成功に導くカラスなどインターネットで探すものか。そうしてみれば、インターネットでアクセス件数が急増したのは、成功とは掛け離れた人が急増し、神頼みのインターネットでヤタガラスを探したところ、意に反して検索されたのが小生の「勝利のヤタガラス」であろう。

 そこには、迷える人を救う名言はなく、参考にする経験談もない。何故、ヤタガラスの足は三本なのか疑問を投げ掛け、俺流の解釈で終わるだけ。成功のヒントを期待した人は、裏切られたと思うに違いない。だが、そう簡単に成功の道を教えるヤタガラスなど見付かる訳がなかろう。自分流に成功は何か考え、自分流に成功の道を決め、その道を自分の足で歩く、自分がヤタガラスになれば良い。

 ネットにて 成功探す 暇な人

# by tabigarasu-iso | 2012-05-25 08:56 | 随筆 | Trackback | Comments(0)

大き過ぎる雀  

2012年 05月 24日
 この頃、かつては何処にでも居た雀を見掛ける機会が少なくなりました。時々、雨の上がった直後には、『晴れた、晴れた』と鳴く雀の声を聞き、その存在が漸く分ります。

 ある時、想像を越えた雀の置物を花売場で見掛けました。その大きさは、猫より大きく犬にも負けないものです。
「安いわね」
「必要ないね」

 突き放して答えたものの、花を植える鉢と土を選んだ帰路で、それをもう一度眺めてみれば、見上げる目付きが何とも愛らしい。

 その目で帰宅する自分を見詰めてくれたなら、どんなに癒されることであろうか。そう心を揺らしてから、先の見解を訂正することに。
「他では売ってない掘り出し物だよな」
「そうよ」

 竹薮じゃ 身動き出来ぬ 雀かな

# by tabigarasu-iso | 2012-05-24 08:04 | 随筆 | Trackback | Comments(2)

遊び心を持つ人の育成  

2012年 05月 23日
 資源の少ない日本が生き延びるには、技術開発で他の国より先行することが重要であった。その象徴として半導体デバイスやテレビ等があったが、品質競争で追い着かれ、価格競争で追い抜かれて、今やそれらの生産拠点が日本国内から消えようとしている。

 何故であろうか。アップル社やフェイスブック社などの大躍進を見れば判るように、技術開発よりユーザー開発に主眼を置き、夢を実現するのに必要な技術があれば、そこで初めて開発する姿勢の違いであろう。

 従来通り、ものづくりの高い技術力の重要さは変わらないが、その前に市場が必要としている物やサービスを知ることや、新しい市場を創り出す、洞察力、企画力、想像力に力点を置くことが必要なようである。

 それには、遊び心も忘れてはいけないようだ。ドラえもんに夢を語って貰い、鉄腕アトムから未来を学び、ウオークマンに発想の転換を教えて貰うのも、固い頭より柔らかな頭の方が良い筈である。

 環境ISOコンサル族にしても、国際標準の普及サービスに頼るばかりでは先がない。それを導入している組織に対して、ユーザー指向の製品やサービス開発が可能な遊び心を持つ人材育成サービスの提供が必要な時である。

 梅の実よ 酒に入るは いつと聞く

# by tabigarasu-iso | 2012-05-23 08:45 | 随筆 | Trackback | Comments(0)

太陽と月と地球とウルトラマン  

2012年 05月 22日
 太陽と地球の間に月が割り込み、瞬間的に太陽の光を遮る。そう滅多にないことであるから、大人から子供まで揃って、その瞬間を見ようとした。

 まともに見れば、太陽の光であるから眼が焼ける。何も持たない自分は、目を細くして少しだけ覗いてみた。その先には、月に反射して飛び散る朧な輝きがあったようである。

 いつもの光が急に途絶え辺りが薄暗くなった所為か、何となく不安な気持ちになった。それは、太陽から生きるエネルギー貰っていたウルトラマンが意地悪な月に邪魔されたかのようである。

「金環日食、見ましたか」
「残念ながら、その時間帯は電車で移動中でした」

 この答えは、正しくはなかった。まさか、ウルトラマンの立場で意地悪な月の話などしたら、還暦までの人生が疑われるではないか。

日食に 騒いだ後で 夕食も

# by tabigarasu-iso | 2012-05-22 08:45 | 小説 | Trackback | Comments(0)

地震に耐える柱  

2012年 05月 22日
 カタカタ
 細かな振動
 上下に尻揺する

 ドンドン
 大きな振動
 上下に家揺する

 カシャン
 本棚の人形
 堪らずに落ちる

 外見れば
 他家も揺れ
 電線も泳いでいる

 ラジオ点け
 震度確かめ
 耐える柱に教える

 想い出し 振り返る間に また揺れて

# by tabigarasu-iso | 2012-05-22 08:30 | | Trackback | Comments(0)

耳垢取り(耳ほり)  

2012年 05月 21日
 床屋で散髪の際に耳を掘って貰う。これは、何処の床屋でもサービス内容に含まれていることであろうか。何とも気持ちの良いものである。

 もう少し長く耳ほりして貰いたいところで終り。あたかも夢を見ているようである。そんなニーズから、耳ほり専門のサービスもあるらしい。街で見掛けたことはないが、漫画で読んだことはある。

 その昔、友達の母親に耳ほりをして貰ったことがあった。それまで、耳の掃除など習慣になかったから、驚くほど耳の垢が取れたらしい。余りにも奥の方まで掘り進むものだから、心地良さを通り越して痛みも覚えたものだ。

 最近は、自分専用の携帯耳ほりを持ち歩き、いつでも耳の垢を自分で掘るようなったから、膝の上に頭を載せて耳垢を取って貰う心地良さを忘れている。もう一度、その良き習慣を復活させてみたいものだ。

 至近距離 烏見詰める 旅ガラス

# by tabigarasu-iso | 2012-05-21 15:49 | 随筆 | Trackback | Comments(2)

腐葉土の上を歩く  

2012年 05月 20日
 ヘルメットを安全の為に被り、革靴を履きネクタイを外した白いワイシャツを覆う背広姿で、工場の境界線に沿った人工林の中を歩く。

 内部監査で現場を確認する際、排水が工場から外へ出る枡を確認することになり、先導役に続いて何も疑わないで笑顔で歩いて行けば、常緑樹林の中へと導かれた。

 下枝を避けて中腰になり、蜘蛛の巣を右手で払いながらも、左手でチェックシートを小脇に抱え、厚く積もった腐葉土の上を革靴で歩く。

 ゆっくり足を下ろせば、幾らか増え始めた自重を全く感じさせない。腐葉土の層は、靴の底に掛かる力を吸収し、あたかも裸足で歩いているような気持ちになる。

 何度も場所を間違えて林の中を行き戻ったものの、漸く目的を果たして舗装された構内に戻る途中、可愛らしい蝮の子供が前方に泳ぎ出て思わず足を止めた。

 蛇が去り、胸の高鳴りが収まったところで歩き始めれば、今度は二寸余りのトカゲが現れる。だが、普段から庭先で見慣れている所為か、先の蛇のように驚くことはなかった。

 孫帰り 障子に開いた 穴二つ

# by tabigarasu-iso | 2012-05-20 10:15 | 随筆 | Trackback | Comments(0)

第六感  

2012年 05月 19日
 上から誰かの視線を感じる

 一階の待合室から見上げた

 白髪の翁が見下ろしている

 何を見ているのであろうか

 その対象ならば面白くない

 視線を避けようと下を向く

 それでも未だ視線を感じる

 これは六番目の感覚だろう

 そう思い再び見上げてみる

 大きなガラスしか見えない

 翁は何処かへ去ったようだ

 それから視線も消え失せる

 強風に 語り掛けても ゴーばかり

# by tabigarasu-iso | 2012-05-19 00:22 | 小説 | Trackback | Comments(0)

ガラスの壁  

2012年 05月 18日
 次の打合せまで、ラーメン屋ではなくビルディングの二階にある喫茶店で休憩することにする。何の気紛れか、二面がガラスの壁の隅にある小さな丸テーブルを選び、一番安いコーヒーを買ってその上に置いた。

 コーヒーを飲むのも忘れ、パソコンを操作する振りして眼下の通行人を眺める。ネクタイを外した背広姿の似合う人は少ない。パソコンのディスプレイに映る自分の姿を確認してみたが、似たようなものである。

 春雨も止み、辺りが明るくなった。下を向いて歩く人の手から、瞬く間に傘が消えてなくなる。何を話しているのか、顔を上げた通行人の表情も明るくなった。

 まさか、ガラスの壁から観察されているとは誰も知らないであろう。また、そんな暇人が居るとは、先を急ぐ人は誰も想像しない筈である。その姿は、電柱の先端に停まり生ゴミを出す人が立ち去る瞬間を窺うカラスに似ていた。

 人を見て 動き始めた 昇降機

# by tabigarasu-iso | 2012-05-18 12:02 | 小説 | Trackback | Comments(0)

カラダに良い「だから」  

2012年 05月 17日
 暇に任せ、結果の芳しくない「だから」の使い方を並べてみる。
 だから言ったじゃないの
 だからと言ってどうにもならない
 だから諦めなよ
 だから我慢する
 だから仕方ない
 
 その逆の「だから」もあるから安心して欲しい。
 だから旨く行った
 だから美味しい
 だから晴れた
 だから幸福になって当然さ
 だから礼儀正しい

 両方の「だから」を登場させてみれば。
 今日があるのも、あなたが資金協力してくれたお陰だから深く感謝します。だから、未だに苦労も絶えませんが。

 かように、前向きな「だから」と後ろ向きな「だから」の使い方がある。同じ結果なら、前者の「だから」を使う方がカラダに良いようだ。

春雨に 打たれる若葉 伸び盛り

# by tabigarasu-iso | 2012-05-17 07:58 | 随筆 | Trackback | Comments(0)